LPレコードの録音

2022年からLPの録音を始めました。他のCDやダウンロードした楽曲同様、サーバーに保存してメディアプレイヤーで再生できることがゴールです。
レコーダーには写真の TASCAM DR-40X を購入し、まずはアンプのフォノイコライザーを利用して、そのライン出力を録音してみました。写真は Orthofon MC super を Lunxman のアンプに繋いで録音している様子。んーなんだが結構ヒスノイズ多いし、冴えないなあ。

そう言えば、ネットで、カートリッジの出力を直に録音してしまって、あとはデジタルで力業、みたいなネタがあったなあ。やってみると、当家の MM カートリッジ、Orthofon 520 Mk II の出力なら、TASCAM のマイク入力で受けて、フォノアンプを通さずとも十分な音圧を得ることができました。また TASCAM で録音して、今度はデジタル力技でやってみましょう。
録音データをフリーソフトで加工します。Windows 10 では Audacity が仕えず、代わりに Audiotonic という互換ソフトを使いました。で、アナログディスクって、録音時 RIAA 変調ってのがしてあります。ざっくり言うと、低音は振幅が大きくなるので、針飛びせぬよう圧縮するんですね。フォノイコライザーってのは RIAA 変調で圧縮された低音を復元します。この復調を、グラフィックイコライザーで再現してみます。

これが有名な RIAA カーブですね。これで変調前の原音に復調します。
クリックノイズ除去は、キャンペーン価格の iZotope RX 8 のプラグインでやるようになりました。あとはトラックを切り出し、flac で書き出してできあがり。
結果。音がモコモコとして冴えないんですよねー。この冴えなさは、明らかにイコライザーが不適切なため。といってイコライザーを手直しするにも基準がありません。それで探して見つけたのがこちらのレコード。

低い方は
1 KHz, 800 Hz, 400 Hz, 300 Hz, 200 Hz, 100 Hz, 70 Hz, 50 Hz
の信号。
高い方は
1 KHz, 2 KHz, 3 KHz, 5 KHz, 6 KHz, 7KHz, 8 KHz, 9 KHz, 10 KHz, 15 KHz
のテスト信号が入っています。これらがフラットになるようにイコライザーをチューニングすると、

当方の環境では RIAA 曲線とは似ても似つかぬこんなカーブになりました。これでは音が冴えなかった訳だ。カートリッジの出力をフォノアンプではなくレコーダーのマイク入力で受けたので、こんなことも起こるのですね。仕方ありません。でもこれで 40 Hz から 16 KHz までフラットになるはずです。その上下はカットオフしました。

さて仕切り直しです。テストレコードで右チャンネルのレベルが低いことも分かったので、まずこれを補正します。次にクリックノイズを除去します。そして作り直したイコライザーをかけました。音を綺麗にしたら、あとはトラックを切り出し、flac で書き出してできあがり。
ところで Windows 11 ではまた Audacity が使えるようになっていて、しかも iZotope RX 8 のプラグインを直接呼び出すことがてきるようになっていました。もうiZotope を経由しなくても、Audacity の中で全部できちゃいます。

いやあ、すっきりしました。このような、もうLPでしか手に入らない貴重な音源は、アーカイブする価値が大いにあります。この頃のLPは、よく誇らしげにデジタル録音と書いてありますが、その音源、分けて頂きたいものです。
ところで周波数特性は揃ったとして、しかしワウフラッターは如何ともし難く、特にピアノは厳しいです。

これは凄い。ボーカルがエモく突き刺さってきます。こんな音が入っていたんだ。脳内再生を上回る音。40 Hz から 16 KHz までフラットにしただけなのですが、リマスターと呼びたいぐらいの大化け。そう言えばご本家がリマスターを出していますね。でももう要らないや。

冴えないモコモコした音がすっきりとCDのような音になってしまいました。アナログにこだわる人たちには多分つまらん音なんでしょうが、アテクシには思い通りの結果となりました。

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