Nicca 3-F

義父の形見の Nicca 3-F、Leica Barnack clone です。義父が先月亡くなり、義母に持たされました。多分親戚では私が一番扱えそうだからでしょう。

第2次世界大戦中、日本ではライカカメラが入手困難になり軍が民間にクローン製造を指示したとか。ニッカは戦後もカメラを作りづけたそんなメーカーの一つだったようです。後にヤシカに吸収されました。このモデルの製造年を調べると、丁度第1子誕生の年。初めての子供のために奮発した様子が伺えます。第3子の我がツレアイも子供の頃はこのカメラで写真をとってもらっていたそうです。

Leica Barnack と同じらしいですが、フィルム装填にコツが要ります。上の写真の底蓋内面のイラストの通り、フィルムの細いベロ部分を4インチ(10センチ)作ります(ハサミで整形)。

装填するときはフィルムとスプールを一つ上の写真とは天地逆にして(つまりイラストとも天地逆さ)カメラに入れます。この装填作業が面倒で、30年程前に義父が写真屋に頼んでいた覚えがあります。

そしてこれが撮ってみた写真。今度の四九日の法要では、親族の集合写真をこのカメラで撮ってやろうという野望を抱いて、高感度カラーネガ FUJIFILM Super Premium 400 を買ってきて試し撮りです。 F8 1/200″ ぐらいだったかな。カラーバランスが転んでいるのはスキャナーシステムの問題なのでお目こぼしを。当然露出計なんてついていないのですが、幸い iPhone のアプリに露出計がありました。助かった。この通り一応写ります。レンズ、絞り、シャッター、フィルム送りはまともな様子。ピントは照準窓があるのだけれども非常に見にくく合わせにくい。ファインダーもとても見にくい。ペンタプリズムの一眼レフがどんな大発明であったか痛感します。室内では調光ストロボを使えば露出の問題も解決、と思いましたが内部がイカれているようで発光しない。それからフィルムカウンターも固まって動かないので何枚とったか覚えておかなければなりません。
ストロボとフィルムカウンターは後の故障として、しかしこの大変なカメラで義父はがんばって家族写真を撮っていたんだなあ、と思いを馳せるのでした。

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