2006年4月 6日

海底に眠る戦艦・ビスマルク

今日、ディスカバリーチャンネルにて「海底の戦艦・ビスマルク」と言う番組を見て、辛くなって泣きそうになりました。
ビスマルクとは、第二次世界大戦時、ナチスが建造した巨大戦艦の名前です。
ビスマルクはフランスめがけて進んでいた時、遠く(かなり)にイギリス艦が見えたそうですが、乗組員は皆追いつくわけがないと思ってくつろいでいたそうです。
そこで戦闘機が飛来して、そのうち一機が放った魚雷が舵に当たって直進不能になり、旋回を始めて、最期を悟った艦長は、本部に「最後まで戦う」との通信を入れたそうです。
絶望感が艦内を漂う中、艦長は特別に食料庫を開放し、飲食を許可したそうです。
そして翌日戦闘は開始され、イギリス軍は2786発もの砲弾を撃ち込み、数百発もの弾丸が命中し、やがて上官の命令で乗組員が自爆させて沈没したそうです。助かったのは100名前後でした。
そして、約60年後の現在、元乗組員も同乗する中、調査船がビスマルクと同じ日程で同じ航路をとって沈没現場の北大西洋まで行きました。
そして海底に潜って調査チームが目にしたのは左舷には数百発もの砲弾による穴が開き、艦橋はほとんど損失し、砲塔は沈む際にほとんど抜け落ち、甲板にも砲弾による穴がところどころ開き、艦尾は沈む際に裂け落ちて隔壁が剥き出しになり、船底の外装は魚雷と海底への着床時の衝撃でほとんどはがれた無残な姿でした。ちなみに甲板にはナチスの象徴たるカギ十字が残っていたそうです。
周囲には砲塔がめり込み、船底の外装が散らばっていました。調査船に同乗した2人の元乗組員の内一人の仕事場だった船内の暗号解読室にはテーブルや本棚は残っていましたが、タイプライターはありませんでした。
右舷には二発程度の穴しか開いていなかったそうです。
また、船のところどころに残骸にまじって遺留品(靴など)があったそうですが、乗組員の遺体はどこにもなかったそうです。長い年月とともに朽ち果てたか、海の藻屑と化したのでしょう。
そして海底を離れる際に慰霊プレートを置いていったそうです。
また、ほかの海域には、ビスマルクに限らず、大和やフッド(第二次世界大戦時のイギリス海軍の象徴)などの戦艦も沈んでいることも忘れてはいけません。
北大西洋に散った英霊達の冥福を祈るとともに、数々の犠牲者を生み出す戦争が一刻も早く根絶されることを願います。

 雪に負け
  倒れた幹に
   葉が芽吹く

コメント(1)

本当にこんな悲惨な事は二度と繰り返してはいけませんね。

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