山田中学校 喫煙防止教室

0.01 % DCIP 溶液を用意し(水道水溶液で十分) 2 ml づつ分注する。またビタミンCの検体としてレモンを搾り 1 ml づつ 500 ml PETボトルに分注する。

今回で6回目になる地元の中学校の教室は趣向を変えてタバコに関する実験を行った。タバコの煙によるビタミンCの変化である。全校生徒を理科室に集め、理科や養護の先生に実験に取り組んで頂く。
実験にはビタミンCの定量の定番試薬である 2,6-dichloroindophenol sodium salt (DCIP) を使用する。原理はこちらなどを参照されたい。

タバコの煙を浣腸器に採取してPETボトルに注入する。PETボトルもう一本を空気のまま対照としてとっておく。煙ボト ルと空気ボトルの双方を5分程度よく攪拌する。
双方のボトルからレモン汁を回収し滴定開始。煙ボトル群はタールで汁が黄染している。写真左が煙ボトル検体、右が 対照で同時に滴定。対照の検体が先に試薬を還元した(透明になった)。

結果(試薬還元に要したレモン汁敵数)

グループ   対照  タバコ煙
 先生 12 15 
 1 11 16
 2 13 16
 3 14 16
 4 12 17
 5 12 15
 6 13 14
 7
 12 15
 8 14 17

すべての実験グループでタバコ煙処理群にて滴定に要するレモン汁が多くなり、タバコ煙にてビタミンCが破壊されることを証明する結果となった。

タバコとビタミンCなどにつき少しお話。

実験の出典は少年写真新聞社「たばこは全身病」だがもう廃刊らしい。原法ではレモンの輪切りをタバコ煙でいぶしているが、時間がかかりそうでまた部屋中に煙が充満しそうなので上記のようにPETボトルに煙をためる方法をとった。この本や実験法につき船峅小学校の高島先生にご教授頂きました。この場を借りて深謝致します。

有意差検定

上記の実験結果、肉眼的にも差は歴然だが有意差検定を試みた。
まずレモン汁のビタミンC濃度を算出したかったのだが当日既知濃度のアスコルビン酸溶液を用いた試薬の力価検定を行わなかったのでビタミンC濃度は算出不能。上記の滴定データそのものを検定した。
で、やってみたら、なあんだ EXCELL がそのものずばり paired t-test をやってくれるじゃないですか。

対照タバコ煙
平均 12.55556 15.66667
分散 1.027778 1
観測数99
ピアソン相関0.205499
仮説平均との差異0
自由度8
-7.35316
P(T<=t) 片側3.98E-05
t 境界値 片側1.859548
P(T<=t) 両側7.97E-05
t 境界値 両側2.306004

でやっぱり圧倒的に p < 0.01 ですね。

コメント

  1. eresse より:

    この実験は大成功でしたねぇ。よかったよかった。いつもと違う教室だったけど実験するのがみんな楽しそうでほっと一安心でしたね。ご苦労様。

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