2006年4月16日

ユダの福音書復活す

今日は、ナショナル・ジオグラフィックチャンネルで放映されたユダの福音書についての番組を見ました。
皆さんご存知”イスカリオテのユダ”とは、一般にはキリストの受難、および死の原因を作った裏切り者として知られています。聖書の中に登場する時も、強欲な悪人でした。
しかし、今回発見された福音書に書かれていた内容は、今までの定説を真っ向から覆すものでした。
その福音書(原題はたしか「エヴァンゲリアス・デ・ユダ」によれば、ユダは聖人で、キリストの教えの真の意味を理解していて、キリストからも一番信頼されていた使徒でした。
ここで衝撃的なのは、裏切りは、キリストの魂が”肉体”という牢獄から解き放たれるために、キリスト自身がユダに指示したことだったということです。
「ユダよ。犠牲にするのだ。私の魂の衣となっている者を」
大方このような内容を、深夜にユダに伝えたそうです。
そこでユダは、強い精神力で実行し、ある夜に兵士を連れてきて有名な接吻でキリストを指し示して売り渡しました。
しかしその後、キリストがローマ総督の手に渡ったことを知って、キリストの死を確信して絶望し、深い良心の呵責に耐え切れずに自殺しました(首吊り自殺と投身自殺の2説有り)
その後の彼についての記述は、政治的事情もあり、段々悪人としての言い伝えが誇張されました。
僕が思うに彼は、キリスト教の存続のために、悪役と言う生贄に捧げられたのだと思います。
今では、ユダの名誉回復に向けて動いている人も多いようです。
向こう岸(あの世)で本人は、この番組が放映されたことを喜んでいるのでしょうか。
確かにキリストを裏切ることは、相当な精神力がなければできなかったでしょう。敬愛する師を間接的にとはいえ殺すことになるのですから。僕だったらそんなことはとてもじゃないけどできません。彼自身も非常に辛かったと思います。

 橙に
  染まった舞台で
   獅子が舞う

コメント(1)

確かに色々と考えさせられるね。真相は闇の中か藪の中か・・?獅子、上手に舞えたね。

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