北日本新聞2001年1月1日月曜日

電脳やまだ村はいま 1人1台生活に根付く

石橋さん一家 2年前 I ターン「都市と差ない」

家族一人ひとりが個人のパソコンを所有する石橋さん一家。
健一君のパソコンを改造する修さん

 家のすぐそばを山田川が流れ、周囲は 田畑が広がる。石橋修さん(43)の一家=中村=は昨年1月、この地に構えた新居に引 っ越した。木をふんだんに使った内装は温かみあふれ、居間にあるいろりは心を和ませる 。だが、部屋では”電脳生活”が繰り広げられていた。
 いろりのすぐそばにはDVDプレーヤーをはじめとした音響機器がずらり。天井付近に はプロジェクターが設置され、窓のそばのスクリーンを下ろせばDVDソフトの美しい デジタル映像が楽しめる。休日は家族で出掛け、思い出の一枚はデジタルカメラで撮影する。
 妻の律子さん(39)と長男の健一君(11)=山田小5年、長女真紀ちゃん(7つ)=同小2年=の四人家族で、一人ひとりがパソコンを持つ。それぞれのパソコンは家庭内LANで結ばれている。
 勤務医の修さんは仕事に、律子さんは友人とのメール交換などに利用。小学校から運動会や学習発表会などの催し案内が送られてくるため、メールチェックは日課になっている。昨秋念願のメールアドレスを手に入れ「村の人たちと早くメール交換をしたい」と張り切る健一君、真紀ちゃんはようやくパソコンに慣れてきた。
 インターネットを通じた商品購入も定着し「DVDプレーヤーやソフト、主人のパソコンはネットを通じて購入した」と律子さんが明かす。「(CDや DVDの)単品は近くの店、まとめ買いは送料を払ってでも(海外の)ネット通販を利用した方がお得ですよ」とさすが主婦らしい。
 滋賀県や米国で生活した経験のある石橋さん夫婦は二年前に同村へ I ターンした。「ここでの生活に不自由さは感じない。むしろ豊かな自然を楽しんでいます。パソコンがあればどこに住んでも同じ」と笑顔を見せる。
 山間地ながら都市との地域格差をなくし、過疎対策にもつながっている山田村。”パソコン村”の村民はきょうも生き生きとしている。

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