祝!今日のお話独立記念!

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みなさん、今日のお話が独立しました。今日のお話改め翼竜図書館となりました。ここでは管理人エラノールの日常の下らない話や日頃考える事からエラの妄想小説までいろんな話をのせています。記念すべき第一作目はガルム放浪記スペシャルです。この頃こればっかりかよ、たまには理解しやすい話のせろって?まあ、そうだけど。これより前のお話は写真展示館の今日のお話をご覧ください。

ガルム放浪記 第七話旅人再び
 風邪をひいてしまった由紀のもとにガルムが再び現れた。今度は彼の友達らしいコルビという陰気な女性も一緒だ。

次の日の朝、土曜日だ。由紀の母は由紀を起こしに行った。二階の由紀の部屋に近づいてきた所で、由紀のうめくような声を聴いた。驚いて部屋に急ぐと由紀はベットでもがいていた。
「どうしたの?」
由紀の母はそう話しかけたが由紀は確かに眠っている。もがいてうなりながら何かに怯えている様子だ。ときどき「いやだ」とか「やめて」と言っている。悪夢を見ているのだ。必死に悪夢からぬけだそうとするがうまくいかないようだ。由紀の母は自分の娘を起こすのに大分かかった。いや、由紀が自分で起きたのだ。
「うわあ!」
由紀はそう叫んで勢いよく上半身を起こした。荒い息をはいている。
「大丈夫?」
母は由紀に訊いた。由紀は頷くがだるそうな顔をしている。由紀は気持ち悪いと言ってトイレに急いだ。そしてまだ朝食は食べていないというのに吐いてしまった。熱を計ると高い熱をだしていた。
その頃ガルムとコルビはようやく星山村に着いた所だった。山の中だ。ガルムは妙な気配を感じバイクを停止させた。コルビもやはり同じで誰にも見られていないのを確認してカラスの姿からいつもの姿に戻った。
「変だな。何かいる。」
ガルムがそう言った瞬間巨大な蛇が地面から表れた。真っ先にコルビに襲いかかる。コルビは防御するように片手を振り、その手の動きに合わせてグレーの光が作りだされた。蛇は噛みつこうとしていたがグレーの光は壁のようにそれを拒んだ。(このグレーの光はすぐに消える)ガルムは片手に青色の光弾を作り蛇に投げた。蛇はあっさり死んでしまった。
「おみごと。光弾使い(こうだんつかい)さん。ところで由紀はもう安全じゃないわね。」
ガルムは光弾使いと呼ばれる光弾を使って戦う者の一人だ。彼の父は魔狼だからだ。
「闇の世界の奴ら、運命の風使いを先に始末する気か?」
ガルムが言う。
「彼女には一刻も早くここを立ち去ってもらわないと周りの人が危ないわ。」
コルビは抑揚のない声で言う。ガルム達は由紀の所へ急いだ。由紀の母と押し問答したがどうにか由紀と会うことができた。旅人達のただならぬ形相に母は内心驚いた。
「ガルム!」
由紀は大声を出した。
「こっちは俺の友達のコルビだ。彼女も旅人だ。」
コルビという女性は真っ黒な服に黒いフード付きのマントを着てマントを赤い、カラスのシルエットが描かれているまるいブローチで留めている。ベルトにはいくつかのポーチがついていた。再会の挨拶とコルビの紹介が済んだ後ガルムは人間界の破滅や魔界の事を話した。ついさっき出くわした蛇の事、そしてこの村を早く去らなければいけないことも。
「それじゃあ不安的中だね。本当にただの序章だった。ケストが来たのは。私は失踪しちゃいけないと思うけど・・・」
由紀が言う。
「確かにあなたは消えちゃいけないけど仕方ないわ。事が起こるのがかなり早かった。時間がないわ。」
それまで一言も喋らなかったコルビが言った。彼女の声にはなんとなく冷たく重い響きがあり抑揚がなかった。
 旅人達はまた明日来ると言った。
「お大事にな。」
ガルムが言う。
「じゃあねガルム、コルビさん。」
コルビは由紀に向かってかざすように片手を動かしマントをひるがえした。指が出るタイプの黒い手袋が見えた。この動作には何かの意味があるのでは、と由紀は思った。旅人達は去っていった。

第八話出来事
 病院に行った由紀。しかし、魔の手は意外な所にものびていて・・・
次の日、私は病院に行く事になった。私の母はイラストレーターだ。だがその日は仕事を休んで私を病院に連れていく事にしたのだ。私は黒いズボンにベルトを締め深緑の長袖Tシャツの上からジージャンを着てその上にジャンバーを着た。ベージュの小さい鍔つきの深い目の帽子をかぶっていた。外に出た時、家の前でバイクに跨りぼーっとしているガルムを目撃した。コルビという長身の陰気な女性はいない。
「ガルム・・・待ってたの?」
私はだるそうに言った。
「ああ、来るって言っただろ。病院にでも行くのかと思ってが。そのようだな。」
ガルムは黒い鍔つき帽を外してバイク用のヘルメットをかぶった。そしてどこかに走って行った。
 病院(総合病院)で校長先生に会った。歯医者に行っていたという。
「いつも娘がお世話になっております。」
母が言う。
「増田さん、お大事に。」
と校長先生。
「はい。」
私はそれしか言えなかった。
「お気を、つけて。」
校長先生はそう言ってなぜか不気味な笑みを浮かべた。私は怖くなった。そう、悪夢で見たのとそっくりだ。思わず一歩後ずさった。と、突然
ピルルルルルー!
鳶の鳴き声、とてつもなく大きい、あたりに響きわたる位の大きな声だった。周りの人はなんだなんだときょきょろと周りを見ていた。だが私には分かった。奴が来る。
「由紀?」
母が言った。
「奴が、来た。」
私は蚊の鳴くような声で言った。校長先生は不気味な笑みを浮かべてじっと私を見ていた。大きな影が通り過ぎる。だが、上を見ても何もいない。校長先生はナイフを取り出した。戸惑う母と周りの人。突然こんな事が起こるなんて。そして、校長先生はゆっくり歩み寄って来た。私は後ずさる。母は更に戸惑った。
「お母さん、危ないよ。離れて。殺されるよ。」
私は喉の奥から絞るような声で言った。私はもはや母をあてにしていなかった。母は固まってしまった。その時、心の中から声が聞こえてきた。
   メトルイ アルカメン サラクス
なにかの呪文だろうか。そう聞こえた。
「あなた、ここで死ぬ気?」
聞き覚えのある、女性の声だ。抑揚がない。
「死にたくなんかないよ。でも逃げられないよ。」
私は言う。更に迫ってくる校長先生。
「ケストの手下かしら。あなたを斬るつもりね。死にたくないのなら後ろにバイクがあるわ。そこに拳銃が入ってる。それを出して。」
私は後ろを見た。ガルムのバイクだとすぐ分かった。言われるままに鞄を開けて拳銃を出した。
「それで、どうするの?」
「撃つのよ。あっちを撃つか、こっちが斬られるかよ。死にたくないのなら引き金を引いて。」
少し抑揚があった。私はいやだった。でも、もうすぐそこまで校長先生は来ていた。私は拳銃を向けた。
ぱん!
「が!」
校長先生は倒れて苦しんだ。私は呆然と見た。
「ここにいたら、どうせまた何かに襲われるでしょ?」
声が言う。
「うん、多分。ていうか絶対に。」
母も周りの人も目を丸くして私を見ていた。拳銃で人を撃つなんて信じられないのだろう。
「今から言う通りにして。もう故郷とはお別れよ。いやなら別にいいけど。」
私はバイクに跨り言われるままに操縦した。私にはもうこれでさよならだと決心した。
「由紀ー!」
母は絶叫したが。由紀は行ってしまった。
 私は走りつづけた。母や親しい友人達とはもうお別れだ。あまりにも突然過ぎた。
     さよなら

主題詞 別れ
あの日走った小道
夕暮れの中泣きながら
溢れ出しそうな悲しみにひた走り続けた
悲しくて さみしくて 切なくて
あてのない思い抱え ただ迷ってた
別れの君の言葉 心で光る
未来になにがあるかなんて 知りもしないけれど
もう振り返らずに進んでいこう
過去を振り返らずに
懐かしい景色にむかって言う さよならと

<解説>
最後まで読んでくださった方(いや、長すぎて読む気にもなれない人が多いと思います)ありがとうごさいます。ガルム放浪記二話連続スペシャルでした。主題詞の別れはバイクに乗り消えてしまった由紀のテーマです。悲しみで一杯だけど、それでも前に向かって進もうとする、そんな感じです。

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すんまそん。根性が無くて斜め読みをしました。しっかしえらい物騒な所ですなぁ・・・しかも校長先生がこんな事をするなんて!?かなんなぁ。もうむちゃくちゃやん。こんな所は結構毛だらけ猫灰だらけです。

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