山田村の情報化事業について思うこと


 

都会には情報があり、人が集まり、仕事もある。地方には情報も、人も仕事も 集まらない。ならば、このなかの情報格差をただすための手段として、 山田村には各家庭にパソコンが導入された。だが、家庭にパソコンが導入される ことで地域振興の役にたつのだろうか。

もし、パソコンで村おこしをしたいと考えるのなら、個人的には在宅ワーク ができ、医療、福祉設備の充実し、安心して暮らせる環境まで持っていかなければいけないと思う。 村に戻ってきて仕事をしたいと考える若者はおり、村で仕事が出来る。また、 在宅医療の設備の充実で高齢者も自宅で安心して暮らしていける。
生活の中でパソコンとネットワークがごく普通に機能するようになれば村おこしの 成功といえるのだろう。だが、今の山田村ではそれにはほど遠い状態にある。 パソコン導入はやり方によっては地域振興の役に立つかもしれない。しかし、 正直言って、どのように役に立つのか、先が見えない状態である。

 ではなぜ、私たちは山田村にいくのだろうか。私たちが山田村に行って、 パソコンの使い方を教えたところで、在宅ワークも遠隔医療も実現しない。だが、その高い 成功像への第一歩位の役にはたつだろう。また、村民に対しての刺激になるだろ う。
村の人曰く、村は都会に対してや過疎の村であるという事実に漠然としたコ ンプレックスをもっているそうだ。だが、パソコンの導入により、いろいろなマ スコミの取材があり村の名前も有名になるに連れて、ある種の自信がついてきた。
また、パソコン、インターネットを利用して、地酒の 販売をしたり、遠隔農業(田圃を買って貰い、そこで農業を行い、その様子をデ ジカメで撮影し、遠隔地に済んでいる所有者に楽しんで貰う)などの夢を描くこ とで、決して村の将来は閉ざされたモノでは無いという希望を描くことが出来る ようになってきた。

このまま過疎化が進んでしまうのだろうかという漠然とした不安をもっている 村民にとって、将来の可能性を感じて物事に取り組むことは重要であろう。 変化にはパワーや勢いが必要で、比較的内に向かいやすい村民性であるこの村にとって 将来を描く前向きなパワーは事業の成功にとって必要であると思う。

 しかし、村の現状として、多くの人はEーmailも使えないという状態である。だから私た ちの役割はパソコンを村の人にとってもっと日常的なモノに近づけ、それを使っ ていろいろな夢や構想を描く手伝いをすればよいのだろう。

 ふれあい祭は理想は高く、やることは結構ヘボく・・といったところだろうか・・・

現在、政府も情報化のあり方を模索している段階である。 山田村の事業が家庭の生活に根付かず、たんなる箱モノ政策で終わることもあり得る。 しかし、短期的には失敗であっても、この事業を経験としてふまえることで、 次の事業で成功に結びつくかもしれない。 山田村の事業を短期的な視点で見るべきではないだろう。
また、今はまだ、生活のなかでパソコンをごく普通に使うことができるようになっていく段階であり、 失敗や成功を問う段階ではないのだろう。



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